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2025/05/23 10:01

 

 保育園に通うお子さんで、うんちに触ってしまう、おむつに手を入れてしまうことで悩んでいる親御さんがいらっしゃると思います。この記事では発達障害のある保育園児の弄便(ろうべん)やおむついじりは、どう対応したらよいか、私の経験を踏まえて、対応策を考えます。


目次
・弄便とは?何が原因なの?
・対応策は?子どもを責めず、環境と関わり方を見直す
・専門家に相談するタイミングは?
・子どもは「困らせよう」としているのではなく、「困っている」




弄便とは?何が原因なの?

 

発達障害のある保育園児のお子さんの弄便(ろうべん)やおむついじりに悩んでいる親御さんもいらっしゃると思います。「気づいたら部屋や体に便を塗りたくっていた…」、「何度言ってもやめてくれない」、「保育園でも注意されてしまって…恥ずかしくてたまらない」

このような経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。ですがまず、覚えておいてほしいのは、「弄便は子どもの意思ではなく、困りごとのサイン」であることです。

弄便とは、自分の便を手で触ったり、壁や体に塗ったりする行為で、おむついじりはおむつの中に手を入れてしまう行為のことをいい、発達障害のある子どもによく見られる行動ので、原因や意味は様々です。

 

1. 感覚の過敏・鈍麻(感覚統合の問題)

感覚過敏の子は、おむつの中の便の違和感を強く感じてしまい、それを取り除こうとして触ることがあります。一方で、感覚鈍麻の子は「便が出た」こと自体に気づきにくく、確認するために触ることも。

 

2. ストレスや不安の表現

言葉で気持ちを伝えるのが難しい子は、環境の変化(保育園・引っ越し・親の不在など)によって不安や混乱を感じ、それが弄便・おむついじりという形で現れることもあります。

 

3. 興味・探索行動

特に自閉スペクトラム症(ASD)の子どもは、物の感触への興味が強く、便のにおいや手触りに強い関心を示す場合もあります。

 



 対応策は?子どもを責めず、環境と関わり方を見直す

 

 

弄便は「困った行動」ではありますが、「悪意のある行動」ではありません。子どもなりの理由や背景があります。対応のポイントは、「叱らない」「理由を探る」「予防する」です。

 

1. 感覚に配慮したトイレ・排便の習慣を作る

便意のサインを観察し、タイミングを見てトイレに誘導をこころがけましょう。おしりふきや下着の素材にこだわるなど、感覚に配慮してあげると良いと思います。終わったあと「すっきりしたね」「きれいにできたね」と言葉がけを行い、達成感を感じさせてあげましょう。不快な状態が続くと、お子さんの機嫌に直結しますので、感覚に過敏な子には、排泄後すぐにきれいにしてあげることが安心につながります。

 

 

2. ストレスを減らす生活リズムと支援体制を整える

環境の変化には事前に絵カードなどで説明をし、落ち着けるスペースやお気に入りの安心グッズを用意してみましょう。保育士さんや支援員との連携で、家と園での対応を一致させる工夫も大切かと思います。我が家では、次男を促すときに絵カードを取り入れていましたが、同じものを2つ用意して保育園の加配の先生に渡しました。保育園でも同じ絵カードを使ってもらうように頼み、「トイレ」や「手を洗う」という一連の行動は、統一した絵カードで誘導するように工夫しました。

日本自閉症協会によれば、「予測できる環境」は不安を軽減し、問題行動の抑制にもつながるとされています。

 

 

 

3. 行動を注意するより、望ましい行動を強化

弄便・おむついじりの行動を強く叱ったり、過剰に反応してしまうと、逆に注目を集める行為として強化されてしまうことがあります。弄便・おむついじりをしていない時に「きれいに使えてすごいね!」と褒める、トイレを使ったあとにシールなどで「楽しい経験」にするなどしてみましょう。行動療法の考え方では、「好ましい行動を増やすことが、好ましくない行動の減少につながる」とされています。

 




 専門家に相談するタイミングは?

 

以下のような場合には、専門機関への相談をおすすめします。

 

弄便が毎日のように続いている

突然始まり、他の行動にも変化がある

便秘や下痢など、排便そのものに問題がある

 

地域の児童発達支援センターや療育施設、小児精神科などでは、子どもの行動や感覚の特性を理解しながら適切なアドバイスが受けられます。保育園を通じて相談先を紹介してもらえることもあります。

 

 


子どもは「困らせよう」としているのではなく、「困っている」

 

 

弄便をするお子さんを前に、親としてショックを受けたり、「育て方が悪いのでは?」と自分を責めてしまうことがあるかもしれません。でも、どうか忘れないでください。

子どもは、あなたを困らせようとしてやっているのではなく、「困っている」からそうしているのです。

私は次男の特性をもっと理解したいという思いから、強度行動障害支援者養成講座を受けたことがあります。その時に、講師の先生が何度もおっしゃっていたのが、「障害のある人はあなたを『困らせる人』ではなく、『困っている人』なんですよ。どうかそのことを忘れずに接してください」ということでした。この言葉を聞いたとき、心の底から納得がいったのです。困っているからこその行動なのだ、と。

お子さんのその行動の背景にある「助けて」のサインに気づいて、適切に対応していくことで、子どもは少しずつ、安心できる行動に変わっていくと思います。

あなたはひとりではありません。迷った時は、ぜひ支援機関や同じ立場の仲間とつながってください。子どもと一緒に、少しずつ前に進んでいきましょう。

 

◆ 参考文献・リンク

厚生労働省「発達障害の理解」

日本自閉症協会「発達障害のある子どもへの支援」


(文/隈本納実)


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隈本納実

 

行政書士/ファイナンシャルプランナー(AFP/不動産管理会社代表

大学生、小学生、保育園児の三児の母。

大学卒業後、国内大手ホテルに勤務、大学院などを経て、家業の不動産管理会社の代表に就く。

次男の発達がゆっくりで、おむつ外れや弄便に悩んだ経験から、発達がゆっくりな子向けのオリジナルロンパースを製作販売する事業をスタートさせた。行政書士/AFPとしては、障害のある子どもやその保護者向けの障害福祉サポート業務にも取り組んでいる