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2025/09/17 16:40

「掃除機の音で耳をふさいで泣き出してしまう」「学校のチャイムの音にパニックになってしまう」――そんな姿に戸惑った経験はありませんか?
発達障害のあるお子さんに多く見られる特性のひとつに「聴覚過敏(ちょうかくかびん)」があります。今回は、聴覚過敏とは何か、そして子どもが感じている“音のつらさ”を理解するための第一歩をお伝えします。


目次

・聴覚過敏とは?

・なぜ起こるの?

・子どもが感じている“つらさ”

・親ができる第一歩

・まとめ



聴覚過敏とは?

 

聴覚過敏とは、まわりの人なら気にならない音を「強烈に不快」「耳が痛い」と感じてしまう状態のことです。わが家の次男の場合は…

 

掃除機やドライヤーの音で泣き出す

 

テレビの音が怖くて部屋から飛び出す

 

スーパーや人混みで耳をふさいでうずくまる

 

といった様子が見られます。普通なら日常にある音が、子どもにとっては大きなストレスになってしまうのです。

 



なぜ起こるの?

 

聴覚過敏は「脳の感覚処理の違い」が原因といわれています。本来なら「これは大丈夫な音」「これは気にしなくていい音」と振り分けられるものが、すべて強烈に届いてしまうのです。

日本では「発達障害に伴う聴覚過敏と音環境に関する実態調査」(東京大学など)において、日常の音環境が聴覚過敏の苦痛とどう結びついているかが詳細に示されています。 また、国内の発達障害当事者・保護者を対象とした調査では、85.8%が「感覚過敏がある」と答えており、その中で「聴覚過敏」が最も困りごととして多く挙げられていることも分かっています。

そして厄介なのが、同じ音でも日によって耐えられる時と耐えられない時があること。わが家の次男も、昨日は平気だったのに今日はダメ、なんてことがよくあります。だからこそ親も戸惑いやすいのですが、「波があるのが特性なんだ」と分かってからは、少し気持ちが楽になりました。

 



子どもが感じている“つらさ”

 

耳をふさぐ、泣き出す、逃げ出す――。こうした行動は「わざと嫌がっている」のではなく、自分を守るための防衛行動です。

 私たちも黒板をひっかく音を想像するだけでゾワッとしますよね。子どもにとっては、それ以上の苦痛を日常的に体験しているのだと思います。「また大げさにして…」と感じていた時期もありましたが、今は「本当に苦しいんだ」と思えるようになりました。

 



親ができる第一歩

1. 受け止めてあげる

 

まずは「音がつらかったんだね」「怖かったね」と共感してあげること。それだけで子どもの安心度はぐっと上がります。

 

2. 音を避ける・距離をとる

 

掃除機をかける時は子どもを別の部屋に移動させる、子どもがいるときはテレビは消すなど、“避ける工夫”も立派な対策です。

 

3. 補助グッズを試す

 

わが家では、次男が常時手を使って耳をふさぐ様子を見せるようになってから、イヤーマフを導入しました。最初は嫌がりましたが、何種類か試してしっくりくるものを見つけ、装着することに慣れると「これがあるから大丈夫」と安心できるようになり、外出のハードルが下がりました。我が家の次男は、保育園のお迎え時は、いつも部屋の片隅でうずくまって耳をふさいでいたのが、イヤーマフを使うようになった後は、机でブロックをしたり、リラックスして絵本を見たりして過ごせるようになったようです。

 



まとめ

 

聴覚過敏は「甘え」や「気にしすぎ」ではありません。脳の特性から生じる、本当の“つらさ”です。子どもの行動を「理解すること」から始めれば、親も子も少しずつ楽になれます。私自身もまだ試行錯誤の連続ですが、「子どもは音に敏感な特性を持っている」と認めるだけで、関わり方が大きく変わりました。

 次回は、家庭でできる聴覚過敏の具体的な対策についてご紹介する予定です。同じ悩みを抱える方のヒントになれば嬉しいです。


(文/隈本納実)





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隈本納実

 

行政書士/ファイナンシャルプランナー(AFP/不動産管理会社代表

大学生、小学生、保育園児の三児の母。

大学卒業後、国内大手ホテルに勤務、大学院などを経て、家業の不動産管理会社の代表に就く。

次男の発達がゆっくりで、おむつ外れや弄便に悩んだ経験から、発達がゆっくりな子向けのオリジナルロンパースを製作販売する事業をスタートさせた。行政書士/AFPとしては、障害のある子どもやその保護者向けの障害福祉サポート業務にも取り組んでいる