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2025/09/24 16:38


前回の記事では「聴覚過敏ってなに?」というテーマで、発達障害児に多い“音のつらさ”についてご紹介しました。今回はその続編として、実際の生活の中でどのように工夫し、サポートしていけるのかを私の次男の聴覚過敏を例に具体的にまとめていきます。



目次

・家庭でできる工夫

・外出時の工夫

・学校や園での配慮

・聴覚過敏の実態調査から見えること

・グッズやアイテムの活用

・親が出来るサポート

・まとめ





家庭でできる工夫


 


聴覚過敏の子どもにとって、毎日の生活音も大きなストレスになり得ます。

たとえば、ドライヤーや掃除機、食器のカチャカチャという音。大人にとっては日常的で気にならない音でも、子どもにとっては強烈に耳に刺さることがあります。

そんなときは、

  • 使用する時間をあらかじめ伝える(「これから掃除機をかけるよ」と予告する)

  • 別室に避難できる環境をつくる

  • 静音タイプの家電に買い替える

といった工夫が有効です。小さな積み重ねですが、子どもが安心して生活できる空間づくりにつながります。我が家の次男の場合、ドライヤーをかける時の音がとても怖く感じるらしいので、ドライタオルでよく拭いた後、イヤーマフを着けた状態で、「弱」の風流で使うようにしています。


外出時の工夫



外出は予期せぬ音に出会う場面の連続です。駅のアナウンスや救急車のサイレン、工事の音…。それらにパニックを起こすこともあります。

そこで役立つのが、イヤーマフやノイズキャンセリングイヤホンです。国立成育医療研究センターなども、雑音を軽減するための有効なセルフケアとして推奨しています【1】。
また、外出前に「今日は工事の近くを通るかもしれないよ」と伝えておくことも大切です。心の準備があるだけで、不安がぐっと軽減されます。





学校や園での配慮




学校や園で過ごす時間は長く、音のストレスがたまりやすい場所でもあります。チャイムや体育館の音楽、給食の食器の音など、避けられない場面が多いからです。

ここで大切なのは、先生やクラスメイトに理解してもらうことです。
「大きな音が苦手だから、体育館の音楽は少し離れた場所で聞かせてほしい」
「給食の配膳時はイヤーマフを使わせてほしい」

といった具体的なお願いをするだけでも、環境は大きく変わります。我が家の場合、次男がイヤーマフを常時着けるようになったタイミングで、先生に事情を話し、先生からクラスのお友達に「怖い音があるから耳を守るためにつけているよ」ということを伝えてもらいました。

文部科学省の「合理的配慮」の指針でも、机や椅子の脚に緩衝材をつけて雑音を減らす工夫が例示されています【2】。




聴覚過敏の実態調査から見えること





日本で行われた大規模調査では、発達障害を持つ人約750名を対象にしたアンケートで、23%が聴覚過敏の症状を有していると推定されています【3】。
しかも原因となる音は「人の話し声」「咀嚼音」「赤ちゃんの泣き声」「掃除機」「アナウンス」など非常に多岐にわたり、日常生活のあらゆる場面に潜んでいることが分かります。

また、国立精神・神経医療研究センターの研究では、自閉症スペクトラム(ASD)の子どもは弱い音にも敏感に反応しやすく、そのことが日常生活での活動レベルの変動とも関連していると報告されています【4】。

こうした科学的データは、親だけでなく学校や地域社会に「聴覚過敏は個人のわがままではなく、実際に生理学的な特徴に基づくものだ」と理解してもらうための大切な材料になります。





グッズやアイテムの活用



聴覚過敏の子どもにとって、安心できるアイテムは心の拠り所になります。

  • イヤーマフやイヤホン

  • 帽子やフード(音だけでなく視覚刺激も和らげる)

  • お気に入りのぬいぐるみ

イヤーマフひとつ取ってみても、メーカーによって着け心地が違います。我が家の次男の場合も、3つめでようやくしっくりするものが見つかりました。いくつか試して、お子さんにフィットするものを探せるといいですね。

また、当店で扱っているロンパースのように「体にフィットする安心感」を得られる衣服も有効です。落ち着ける“いつもの服”があるだけで、外出先での不安を和らげることがあります。


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親ができるサポート





最後に、何より大切なのは子どもの気持ちに寄り添うことです。
「そんなに大きな音じゃないでしょ」と否定せず、「びっくりしたんだね」「つらかったね」と共感すること。これが安心感を生み、次の行動への力になります。

また、親自身も完璧を目指さなくて大丈夫です。
「今日はちょっと対応できなかったな」という日があっても、子どもは親の気持ちをしっかり受け取っています。無理なく、少しずつ工夫を積み重ねていくことが一番のサポートになります。




まとめ





聴覚過敏は、見えにくく理解されにくい特徴ですが、研究データやガイドラインにもある通り、確かに存在し、配慮が求められるものです。
家庭での環境調整、外出時の準備、学校との連携、安心できるアイテム、そして親の寄り添い。どれも特別なことではなく、今日からできる小さな一歩です。

お子さんが「音の世界でも安心して過ごせる」ように、一緒に工夫を重ねていきましょう。




参考リンク集

【1】発達障害情報・支援センター:感覚過敏のセルフケア(国立成育医療研究センター)
【2】文部科学省:合理的配慮の具体例(特別支援教育)
【3】発達障害に伴う聴覚過敏と音環境に関する実態調査(J-STAGE)
【4】国立精神・神経医療研究センター:自閉症スペクトラム児の聴覚過敏性に関する研究
【5】内閣府:合理的配慮等具体例データ集(教育分野)


(文/隈本納実)





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隈本納実

 

行政書士/ファイナンシャルプランナー(AFP/不動産管理会社代表

大学生、小学生、保育園児の三児の母。

大学卒業後、国内大手ホテルに勤務、大学院などを経て、家業の不動産管理会社の代表に就く。

次男の発達がゆっくりで、おむつ外れや弄便に悩んだ経験から、発達がゆっくりな子向けのオリジナルロンパースを製作販売する事業をスタートさせた。行政書士/AFPとしては、障害のある子どもやその保護者向けの障害福祉サポート業務にも取り組んでいる