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2025/07/30 13:58
「またやってしまった……」
オムツの中のうんちを取り出して、壁や床に塗りたくる。
発達障害のある幼児に見られる「弄便(ろうべん)」に悩む保護者の方は少なくありません。今回は、まだおむつが外れていない段階でも、少しずつトイレでうんちができるようになるための工夫と、弄便の対処について私の経験を踏まえてご紹介します。
目次
◆弄便の背景にあるものとは?
◆トイレでできるようになるための第一歩
◆弄便が起きたときの対応
◆子どもの「できた!」を見逃さない
◆ひとりで抱え込まないで
◆おわりに
◆弄便の背景にあるものとは?

オムツの中のうんちを触ってしまったり、壁や床を汚してしまう弄便。 後片付けの大変さ、叱ることへの葛藤、自分の育て方が悪いのかと不安になりますよね。
でも、これは「わざと」でも「反抗」でもありません。子どもなりの理由や未発達な部分が関係していることがほとんどです。
弄便には、いくつかの要因があります。
- 感覚刺激を求めている(感覚遊びの一環)
- うんちが出る感覚がわからない/気持ち悪さを理解していない
- 言葉や行動でうまく伝えられない
- 退屈や不安などから来る行動
たとえば、発達障害の特性として、触覚の感覚が過敏または鈍感である子どもは、便の感触に過剰に反応したり、逆にその刺激を求める場合があります。
◆トイレでできるようになるための第一歩
トイレで排泄が出来るようになるためには、まずは焦らず、少しずつステップを踏んで練習していきましょう。
◎①「出る感覚」を育てる
まずは、排便の前兆(いきむ、しゃがむ、静かになるなど)に気づけるように、大人が観察しましょう。
「今うんち出そうかな?」と声をかけて、身体感覚と言葉をつなげてあげます。
排便の直後には「うんち出たね!スッキリしたね」と肯定的なフィードバックを。
◎②トイレを怖くない場所にする
便座に座る練習は、出なくても構いません。1日1回、タイミングを決めて「トイレに座るだけ」の習慣をしてみてはいかがでしょうか。我が家の次男の場合は、お風呂に入る前に必ず座るという習慣にしていました。毎日の習慣になると、お風呂前に自分からトイレに行って座ってくれるようになりましたよ(座ってもトイレで排泄が成功したわけではないですが…)
また、好きなキャラクターの幼児便座やごほうびシールなどで「楽しい場所」にしてもいいですね。電車好きの男の子には、電車のイラストを、車好きには車のイラスト好きなど、幼児便座も種類が豊富にあります。
◎③「出るタイミング」を狙う
排便の時間帯がある程度決まっている場合、朝食後や入浴前など、排便が起きやすい時間に合わせてトイレに誘導してみてください。
便意が近いサインが見えたら、すかさずトイレへ。
我が家の次男は、部屋の片隅でうずくまると排泄のサインだと分かったため、トイレに誘導するタイミングは部屋の片隅に次男が座ったらとしていました。
◆弄便が起きたときの対応
弄便が起きたときは、感情的に叱らず、淡々と対応することが大切です。
汚れた手や場所を一緒に片付けながら、「うんちはトイレでしようね」「手はきれいにしようね」とシンプルに伝えます。
汚れた場所を掃除していると、思わず叫びたくなることもあるかもしれません。それでもぐっとこらえて、淡々と対応がミソです。
また、弄便が起きやすいタイミング(排便後すぐ、おむつの中で遊んでいるとき)を把握し、先回りして対応することも効果的です。
- 排便の後はすぐにおむつ交換する
- 手遊び用のおもちゃを用意する
- 忙しい時間帯は目を離しすぎない工夫をする
- 弄便しづらい服装にさせる
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◆子どもの「できた!」を見逃さない
初めてトイレでできたとき、少しでも便座に長く座れたとき、便意を教えてくれたとき……。
どんな小さなステップでも、「すごいね!」と認めてあげることが子どもの自信になります。
また、親御さん自身が「今日は怒らずに済んだ」「声をかけるタイミングがうまくいった」と思える日があれば、それも立派な前進です。
我が家の場合、次男の弄便のあった翌々日に、たまたまトイレに誘ったタイミングでトイレでウンチに初成功しました。
つい数日前までは弄便で汚れた床を掃除していたのに、今日はトイレで排泄が出来ただなんて!と家族で手をたたいて喜びました。当の本人は、わかっているのかちょっと誇らしげな顔に見えました。
ちょっとしたきっかけで、急に出来るようになることもありますね。
◆ひとりで抱え込まないで
発達の特性がある子どもにとって、排便は「体の感覚」「行動」「言葉の理解」など、たくさんの要素が絡み合う難しい課題です。
一人で悩んでいると、親の気持ちも追い詰められてしまいます。
悩み過ぎる前に、ぜひ地域の療育センター、発達相談窓口、小児科など、頼れるところに相談してください。
子どもと向き合う姿を、専門職はちゃんと見てくれます。
◆おわりに
「どうしてこんなことをするの?」「このままで大丈夫なの?」
そう感じてしまうのは、親として当然のことです。
でも、子どもには「できるようになる力」が必ずあります。今はその道の途中にいるだけ。
トイレでの排便習慣も、少しずつ少しずつ育てていけます。
あなたの見守りと関わりが、子どもにとっての安心と前進になりますように。
(文/隈本納実)
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隈本納実
行政書士/ファイナンシャルプランナー(AFP)/不動産管理会社代表
大学生、小学生、保育園児の三児の母。
大学卒業後、国内大手ホテルに勤務、大学院などを経て、家業の不動産管理会社の代表に就く。
次男の発達がゆっくりで、おむつ外れや弄便に悩んだ経験から、発達がゆっくりな子向けのオリジナルロンパースを製作販売する事業をスタートさせた。行政書士/AFPとしては、障害のある子どもやその保護者向けの障害福祉サポート業務にも取り組んでいる